

最新セキュリティニュース2025.9.9「前澤さんから投資の誘い…?」それ詐欺です!被害急増中の『SNS型投資詐欺』、その巧妙な手口とは
@niftyセキュリティ編集部(ニフティ株式会社)
「堀江貴文です。僕だけが知っている方法で、資産を増やしませんか?」 SNSを見ていて、あなたが知る有名実業家のこんな広告を見かけたら、どうしますか?
今、FacebookやInstagram、YouTube上で、前澤友作氏や堀江貴文氏といった著名人の名前と写真を無断で使い、投資を勧誘する詐欺広告が爆発的に増えています。これは決して他人事ではなく、誰もがターゲットになり得る社会問題です。
この記事では、「偽広告」から始まるSNS型投資詐欺の全貌に焦点を当て、その巧妙な手口と、大切な資産を守るためのチェックポイントを解説します。
簡単要約ラジオ
※忙しい方向けに本記事を音声でまとめてあります。
詐欺師があなたに近づく巧妙な手口
この詐欺は、SNS上に表示される「広告」から始まります。その手口は非常に巧妙で、「これは本物かもしれない」と信じ込ませてくるところに怖さがあります。
手口の一例:AIが生成した「偽の本人出演動画」
最近、特に悪質化しているのが、AI技術を悪用した『偽の動画広告』です。 FacebookやYouTubeなどで、著名人がまるでテレビ番組や講演会で語っているかのように、「皆さん、こんにちは。〇〇です。私が発見した新しい投資法を、この動画を見ているあなただけに教えます」と、非常に流暢な日本語で直接語りかけてきます。
AIによって生成された音声や映像は、本人の声色や口の動きまで精巧に再現されており、一見しただけでは偽物だと見抜けないこともあります。画像だけの広告よりもはるかに信頼しやすく、「本人が動画で直接語っているなら間違いない」と錯覚させる、非常に巧妙な手口と言えます。
【見分けるヒント】
どんなに精巧でも、偽動画にはわずかな不自然さが残る場合があります。
- 口の動きと音声が微妙にズレている
- 瞬きが異常に少ない、または多い
- 声のトーンが平坦で、感情が感じられない
- 日本語のアクセントや言い回しに、わずかな違和感がある
その後:LINE上で「劇場型の勧誘」が始まる
こうした偽広告をクリックさせ、次に誘導されるのがLINEです。 LINEでは、「アシスタント」や「弟子」を名乗る人物が登場し、複数の"サクラ"がいるグループチャットに招待されます。ここが詐欺師の劇場です。グループ内では、あたかも活発なコミュニティであるかのように、以下のようなやり取りを自作自演で繰り広げます。
【LINEグループでのやり取りの例】
- サクラA: 「〇〇さん(アシスタント)の指示通りにしたら、すぐに利益が出ました!ありがとうございます!」
- サクラB: 「最初は半信疑でしたが、参加してよかったです。これがその証拠です(偽の利益画面のスクショを投稿)」
- サクラC: 「先生、いつも有益な情報をありがとうございます!次の投資について質問です!…」
このように、集団心理を巧みに利用して「自分も乗り遅れたくない」という気持ちにさせます。そして、あなたを完全に信じ込ませた後、さまざまな口実で偽の投資話へと巧みに誘導していくのです。
被害に遭わないために!見分けるためのチェックポイント
甘い話に騙されないために、以下のポイントを必ず覚えておいてください。一つでも当てはまれば、詐欺を強く疑うべきサインです。
□ 著名人本人が、SNS広告で直接あなたを投資に勧誘することは、まずあり得ません
公の場で活躍する著名人が、見ず知らずの個人に限定的な投資話を持ちかけることは、通常考えられません。本人を名乗っていても、まずは疑ってかかりましょう。
□「元本保証」「必ず儲かる」という言葉は、詐欺の典型的な手口です
金融商品取引法により、元本保証などを謳った勧誘は禁止されています。このような言葉が出てきた時点で、詐欺である可能性が極めて高いです。
□ 投資金の振込先が、個人名義の銀行口座になっている
正規の金融機関や投資会社が、振込先に個人名義の口座を指定することは絶対にありません。
□ LINEグループなど、閉鎖的なコミュニティだけで話が進む
正規の投資であれば、企業のウェブサイトや金融庁への登録情報など、公的な情報が必ずあります。非公開のグループだけで話が進むのは、非常に不自然です。
まとめ:プラットフォーム側の対策も追いついていないのが現状
Meta社(Facebookを運営)なども対策を強化していると発表していますが、詐欺師は次々と新しい広告を出稿しており、残念ながら対策が追いついていないのが現状です。 そのため、最終的には私たち一人ひとりが自衛するしかありません。SNS上で少しでも美味しい話を持ちかけられたら、「これは詐欺かもしれない」と一度立ち止まってください。そして、一人で判断せずに、家族や友人、または警察の相談専用電話「#9110」に連絡しましょう。
@niftyのセキュリティサイトでは、今後も皆様のデジタルライフを守るための有益な情報を発信してまいります。
- ※2025年9月時点の情報です。

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